「六本木ホテル新築工事プロジェクト」「六本木ホテル新築工事プロジェクト」

PROJECT 01|「六本木ホテル新築工事プロジェクト」

渡辺パイプ
史上最大級
六本木ホテル
新築工事プロジェクト

濱野 亨

水と住まいの事業 
東京北設備サービスセンター
濱野 亨 TORU HAMANO

Episode.1

納材総額1億5000万円
特大プロジェクトを受注

渡辺パイプといえば、上下水道のパイプや、住設資材、電設資材などが主要商材だ。戸建て住宅や集合住宅、小規模商業施設の案件を受注することが多いが、受注金額が2000万円を超えれば大型案件だと言われている。そこにあらわれたのが1億5000万円のプロジェクト。

六本木に新築するホテルのトイレなどの衛生機器、エアコンや換気扇などの空調機器、水道管材などの資材を納める。客室数は260、工期は1年9か月。前代未聞のプロジェクトに、「本当にできるのだろうか」という不安の声も社内から聞こえてきた。

本プロジェクトを任されたのが東京北設備サービスセンターに所属する濱野だ。濱野は業界経験も長く、実績も抜群であったことから抜擢された。
「渡辺パイプの持ち味である『ワンストップソリューション』を実現できるのは濱野しかいない」。
渡辺パイプのプライドをかけた戦いが始まった。

濱野 亨

Episode.2

受注から竣工検査まで
渡辺パイプだからこそできた
密な連携

濱野は本プロジェクトでリーダーとして全ての工程を担当した。見積もりの作成だけでも3か月かかった。内装商材だけでなく外構商材もある。価格の交渉の際は所長にもサポートしてもらった。
商材の納入が始まってからは営業アシスタントの小林とのタッグで乗り切ることになる。ベテランの小林が、欠品が多い部材であっても仕入れ先さまと粘り強く交渉をして納期に間に合わせた。
「彼がいなければ成功はありませんでした」と語る濱野と、照れくさそうに笑う小林の間には強い信頼関係が見える。

濱野は小林のみならず、社内の仲間とのコミュニケーションを重視している。渡辺パイプほどの規模になれば、社内でも話をしたことがない社員が多数存在する。連携が取れていない仲間とビッグプロジェクトを成し遂げるのは困難だ。濱野は積極的にコミュニケーションを取ることにも時間を割いた。長年の経験から、コミュニケーション不足がトラブルに繋がることを知っているからだ。

現場が進み、細かいトラブルも続出する。中でも濱野らを苦しめたのが配送の問題だ。大きな現場には、一日中複数の会社の配送トラックが集まる。荷物の積み下ろしに時間がかかることから運転手に長時間待機をしてもらうこともある。だから運転手の人柄も重要だ。待ちくたびれてしまい、現場で悪態をつくような運転手では出入り禁止になってしまう。濱野は運転手に気持ちよく納品してもらえるように、心を砕きコミュニケーションを密にとっていた。

大量の納品となるため1日1便の配送では間に合わない。毎日2便の定期便を確保した上で、間に合わなければ別便も出した。配送センターがあり、他のサービスセンターの助力を得られる渡辺パイプだからこそ成し得た力業である。

濱野 亨

Episode.3

梱包レスに給排水プレハブ化
省施工、梱包レスで
現場をスマートに

濱野が取り組んだのは社内の調整だけでない。現場がスムーズに進むようにと様々な提案も行い採用されている。
まず取り組んだのは通い箱制度だ。これまでは商材を段ボールに入れて納品をしていたが、大きな現場では段ボールは邪魔になる。箱を開けるのも、段ボールを潰すのも手間だ。現場の貴重なリソースを段ボールの取り回しで無駄にしないために、プラスチックの通い箱を導入した。物流の方は通い箱のおかげで苦労をしたと思うが、現場では好評であったという。

さらに濱野は、給排水プレハブ化(加工後納品)を提案した。給排水のパイプは現場で配管を繋がなければならない。ところが東京オリンピック需要と職人の高齢化があいまって、配管を繋ぐ職人が不足していた。職人不足は現場の停滞に繋がり、工期が遅れてしまう。工期遅延はお客さまにとって大きな損害である。そこで濱野が取り入れたのは、半完成品の給排水パイプだ。現場で打ち合わせをしてCADを受取り、プレハブ加工が可能なメーカーに加工を依頼するのだ。接着する場所が最小限になれば、工事の手間は大幅に省ける。この取り組みによって現場の動きはスムーズになった。

省施工だけでなく、施工の効率性と確実性を高めるための講習会も開催した。ずっと同じ職人が現場を担当するわけではなかったため、作業の均一性を確保するためだ。
濱野が開催したのはステンレスの配管を繋ぐ継ぎ手を、工具を使って施工する方法の講習会だ。現場竣工までに講習会を4回実施し、均一性の確保に努めた。

濱野が提案した業務効率化の提案はそれだけに留まらない。巨大な室外機を搭載する鋼材も一体鋼材として完成品で納品することにした。室外機を置く台に階段を付けておけば現場での作業が大幅に減少する。
「商社の営業職はただ商材を流通させるだけではない」ことを示した提案だった。

濱野 亨

濱野 亨濱野 亨

Episode.4

プロジェクトの完遂と
新たな一歩
かけ算により一歩先の
サービスの提供へ

最大級のプロジェクトは、大きなトラブルに見舞われることなく無事に終了した。渡辺パイプの挑戦は濱野、小林を始めとする「チーム渡辺パイプ」の仲間たちの協力によって成功を収めた。大きな業績を上げたプロジェクトは社内から賞賛を浴びた。
しかしながら濱野は立ち止まらなかった。渡辺パイプの持つリソース、ポテンシャルをさらに活かせるのではないかという。住設×設備、設備×電工など、無限の掛け算によって渡辺パイプの価値はさらに高められる。サービスセンターの枠を超えて繋がり、チームを結成することで大きなプロジェクトを獲得することも可能となり、新たな価値をお客さまに提供することができる、と濱野は語る。拡大を続ける渡辺パイプの更なる未来を見据える濱野の目に迷いはなかった。